10メートルほどの高さまで伸びた竹林に入ると、葉がうっそうと生い茂り、空気もひんやりとしている。日中にもかかわらず、なかは薄暗かった。
福岡市の西隣に位置する福岡県糸島市。住宅街のすぐそばに竹林が広がっており、ところどころに枯れた竹が混在している。倒れかかっている竹も多く、それをまたいだり、下をくぐったり……。前に進むのもやっとだ。
土地の所有者の親族によると、もともと地元の住民が所有していたが、死後に関東の親族が相続。その後、手が行き届かなくなり、10年以上がたつ。
「こういう山はたくさんあって、整備には時間も人手もかかる」
竹林を案内してくれた古賀貴大さん(37)はそう話す。糸島市内で食品加工会社を営んでおり、昨年から間伐作業などの整備を手伝い、代わりにタケノコをわけてもらっているという。
こうした荒れた竹林が全国で増え続けている。
竹は地中の茎部分が横に広がりながら繁殖していく。放置すればほかの山林や田畑まで侵食し、竹林にかえてしまうほど、その力は強い。
自然環境へのリスク懸念、ビジネスチャンス狙う動きも
林野庁によると、全国の竹林…